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八甲田山 [小劇場]

 
5月8日 (金) に書いたものの
気分が落ちている人は、更に落としそう ... と
思って、没にしていた記事です。
温暖で、軟禁解放間近の今日なら、大丈夫ね?

八甲田山死の彷徨 (新潮文庫)八甲田山 特別愛蔵版 高倉健 主演 DVD2枚組





左:新田次郎の小説
右:高倉健主演映画


資質・実力あるリーダーに率いられた集団, そうでない集団,
その 命運 は、大きく分かれます。

1902 (明治35) 年1月、大日本帝国陸軍の冬季訓練で
青森歩兵第5連隊 (210名) が、青森県八甲田山の雪中行
軍 (約40km,1泊2日予定) を実施し、遭難して
199名の死者を出しました。

この事件を基にして書かれた小説「八甲田山死の彷徨」が
1971 (昭和46) 年に刊行されて話題となり、
1977 (昭和52) 年に映画「八甲田山」となって公開
されると、興行収入25億円もの大ヒットとなりました。

青森歩兵第5連隊と同時期に、八甲田山の雪中行軍訓練を
していた 弘前歩兵第31連隊 (38名, 約224km,
11泊12日) は、全員無事に行軍達成していた事実 ...
その差が、過酷過ぎる雪の八甲田山の描写とともに
読者, 観客 の心に強く響く構成になっています。

事実に基づくとする 小説, 映画は、必ずしも
全て事実通り (ノンフィクション) ではありませんが、
青森歩兵第5連隊の惨劇の原因は ... 放漫, 傲慢
 ● 事前調査の不足, 計画の不全, 用意の不備
 ● 適任でなく地位で決まる人事
 ● 現実的な知識不足なのに、現地住民の進言を無視
 ● 早期判断, 適切判断ができず、深見にはまる

青森歩兵第5連隊の出発から4日目に援助隊が捜索するも
救出できた生存者は17人のみで、6人は間もなく死亡。
救出後死亡者の1人である大隊長の死には、自殺説, 陰謀説,
... などがあり、小説, 映画では 拳銃自殺 になっています。
既に自力で歩けないのを担架で運ぶ兵卒が、疲労で倒れて
逝く シーンがあるだけに、自殺には [むかっ(怒り)]

映画のラストの字幕で
雪中行軍を無事成功させた 弘前歩兵第31連隊の
全員が、2年後の日露戦争で戦死したことを伝えられ
何とも言えない「虚しさ」があります。


八甲田山 消された真実映画では、高倉健が隊長を演じて
やたらと恰好良かった
弘前歩兵第31連隊 ですが、事実は ...?

こちらの本は読んでいませんが、多分
連隊の案内役をした地元民の苦しみに
言及していると思います。
強制, 安賃金, 過酷労働, 補償なし ...

タグ:映画 小説 日本
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