SSブログ

フラ鳥から王子様星へ (39) [ ▲ 星の王子さま]

Le Petit Prince (French)本文全27章の第25章です。

パイロットと王子様との別れが
いよいよ近づいてきた気配がします。


発見した井戸は、どうも奇妙でした。
他に何もない砂漠のど真ん中にあるのに、村にあるような
ちゃんとした井戸で、滑車も, 桶も, 綱も付いていました。

パイロットは、ギコギコと水を汲み上げます。
その水を見て、王子様は「飲ませて!」

 Et je compris ce qu’il avait cherché !
 (それで、私は彼が探していたものを理解した!)

王子様が探していたものは、井戸ではなく
パイロットが自ら汲み上げて与えてくれる「水」でした。

不慮の事故で砂漠に不時着し、飛行機の修理は終わらず、
水は尽き、砂漠を彷徨い歩き、疲れ果てている人が
力を振り絞り汲み上げて、自分が飲むより前に与えてくれた
「水」は、何にも増して美味しく、キラキラと輝き ...
確かに「心に良いもの」に違いありません。

水を飲んでひと心地着いた後、パイロットは
羊に花を食べられてしまわないか心配していた 王子様に
羊の口輪を描いてあげる約束をしていたのを思い出します。
案の定 (?) 、王子様から絵のダメだしを受けますが
約束を果たして、胸がいっぱいになります。

そして、今いる場所が、王子様が地球に降りた場所であり
偶然ではなく、ここを目指して来たのだと知ります。
人間の居ない砂漠に、何故戻って来たのでしょうか?
それは、大体想像できますが、認めたくない ....
明日が、王子様が地球に来て 1周年 だそうです。

nice!(10)  コメント(2) 
共通テーマ:

nice! 10

コメント 2

ハマコウ

砂漠にもいろいろなものがあること、
ゆっくり過ごさなければ気が付きません。
わたしも意味もなくあわてているようです。
by ハマコウ (2019-08-27 18:30) 

sasanono

ハマコウさん,
砂漠の風に吹かれて歩き回る人の話 (13章) は
今の時代にいる私達, 大人でもあるようです。
押されて必死に歩いて、気づけば、
何処にいるのか、どの方向から来て, どの方向
に行けばいいのか、分からなくなる ...
そんな時は落ち着いて、「動かないもの」を
探せばいい ... ということだと思います。
一面の砂漠, 不毛と思われる場所にも
よく見れば必ず在る ... 悲しみもあるけれど
良書なので、現代の子供たちにも読んで貰い
たいです。
by sasanono (2019-08-28 10:47) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。