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フラ鳥から王子様星へ (40) [ ▲ 星の王子さま]

Le Petit Prince (French)本文全27章の第26章です。




飛行機の修理の目途がつき、パイロットは
王子様との約束通り、夕方に井戸に戻ります。
王子様は、井戸の傍にある古い壊れた石垣の上に座り
誰かと話しているようですが、
相手の姿は見えず、その声も聞こえません。

 「君はいい毒を持っているの?
  僕は長く苦しまなくていいんだね?」

その言葉に、パイロットは思わず立ち止まり
会話の相手を発見して驚きます。

image045.jpg

黄色い蛇!


噛まれたら
30秒で
死んでしまう!





パイロットが駆け付けた時には、蛇は姿を消していました。
王子様は青白い顔をしていますが、蛇に噛まれたわけでは
ありません。怖いのです。蛇と、ある約束をしたのです。

 「今日、僕の星に帰るよ」
 「今夜は、もっとずっと怖いだろうな」

何が起こるのか察したパイロットは、必死に引き止めます。
でも、王子様は

 「その中の1つが僕の星だと思って、夜空の星を眺めてよ」
 「私は、ぼうやの笑い声を聞くのが好きなんだ!」
 「いろんな人がいろんな見方で星を眺めるけれど
  あなたは、星で僕が笑っているのを思って見るだろ?
  どの星か分からないから、全部が笑って見えるよ」

 「気持ちが落ち込んでいる時にね、夜、窓を開けて
  小さな鈴を振るように笑っている星々を見上げて
  笑うとね、僕と一緒に笑っているんだよ」

夜空の星を眺めて慰められること
... これが、王子様からパイロットへの別れの贈物でした。

それでも、パイロットは王子様を失いたくなくて
蛇との約束の場所へ強引に同行します。

足首のあたりに黄色い光がキラッとして
身動きもせず、声も立てず
王子様は、木のように真っすぐ倒れました。
音もしませんでした。

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