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英ゴリ本 052 [ ▲ 英ゴリラの読書]

 
English Fairy Tales (Dover Children's Classics)English Fairy Tales
3. The Rose-Tree
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by Anonymous
collected by Joseph Jacobs

[First published 1890]



主人公は、ちょっとドジな、でも美しい女の子です。
優しいお父さんの後妻からは、嫌われています。
その息子である弟は、お姉さんのことが大好きでした。

ある日、継母から、蝋燭を買ってくるように頼まれる
のですが、犬に盗まれちゃった。
仕方ない... 買い直し... えぇ~、また、犬が !
そして、3度目の正直... 買い直し...
ぎょっ、2度あることは3度ある ! でした。

その失敗が、恐ろしく残酷なことになってしまうとは...
継母の嫉妬心から発生した行為です。
娘を斧で叩き殺し、その心臓と肝臓をシチューにして
食卓に供します。

弟は、姉の残った遺骸を箱に入れ、薔薇の木の下に
埋葬しました。
春に薔薇の花が咲き、白い鳥が美しい声で歌います。

靴職人の店の前で歌い、赤い靴をもらいます。
時計職人の店の前で歌い、金の懐中時計をもらいます。
粉挽き水車小屋の前で歌い、石臼をもらいます。

実家の上で、石臼をゴロゴロ鳴らすと、継母は雷だわ...
弟が外に出てみると、赤い靴が落ちてきます。
再び石臼をゴロゴロ鳴らすと、継母は雷だわ...
父親が外に出てみると、金の懐中時計が落ちてきます。

で、次に何が起こるのか... もう、大体わかりますよね。
自分も何かもらおうと、雷音を聞いて外に出た途端、
継母の上に落ちてきたのは、ISHIUSU !


ここで、白い鳥が歌った唄を見てみましょう。
 My wicked mother slew me,
 My dear father ate me,
 My little brother whom I love
 Sits below, and I sing above
 Stick, stock, stone dead."
   (私の意地の悪い母親が、私を打ち殺し
    私の愛しい父親が、私を食べた
    私の愛する小さな弟が、その下に座り
    私が、その上で歌うのは
    Stick, stock, stone dead)

最後の Stick, stock, stone dead は、
マザー・グースの歌にも見られる表現です。
残酷な方法で殺された (処刑された) 死者、
もしくは、それによる死を指す言葉ですが、
本書で、弟は薔薇の木の下に遺骸を埋葬しましたから、
その死者の「下に座る」ことはできそうにありません。

これは、つまり、遺骸は薔薇の木と同化して
弟は、薔薇の木の下に座っているのだと思われます。
そして、魂は白い鳥に化身したのだと...


タグ:英語 洋書 読書
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コメント 8

Hide

おはようございます。
こうも毎日暑い日が続きますと、止めたいお酒が止められず困ったものです@@。白い鳥が歌いました歌の内容は強烈で、怖い話し以上の衝撃です!
寒くなり冷房を止めました!
by Hide (2015-08-04 08:36) 

Asond

夏の世の定番と言えど此の所怖い話が多いですね。
日本にも怖い話が、かちかち山異聞に狸がお婆さんを殺して、たぬき汁ならぬババ汁を作り其れをおじいさんが美味しいといって食べたという恐ろしいかちかち山もありますよ。
これから暑さ本番お身体ご自愛下さい。
by Asond (2015-08-04 15:20) 

kawasemi

コメントありがとうございました。
酷暑が続いています。睡眠不足に注意して、乗り切りましょう。
by kawasemi (2015-08-05 11:28) 

スーおばさん

おはようございます。
昨日までの暑さに比べると、少しだけ、少しだけ・・・楽な暑さに感じる今日です。
ベール雲のコメントを有難うございました。
あのページに「追記」として書かせて戴きました。
by スーおばさん (2015-08-07 10:54) 

スーおばさん

すみません。
複数のブログを持っているので間違えました。
今度こそ空のブログです。
by スーおばさん (2015-08-07 11:03) 

sasanono

Hideさん, Asondさん,
イギリスは猛暑を冷やす恐怖話が、
どうも沢山ありそうです...
歴史ものも怖い...

白い鳥... 無邪気に美しい声で歌っているのが
後からくる復讐の凄さを際立たせてますねぇ...
by sasanono (2015-08-08 11:00) 

sasanono

スーおばさん,
コメントを有難うございます*

珈琲と雲の blog は、組合せが優雅で
落ち着いた日常... というイメージを抱いています。
私も珈琲派ですが、インスタントでOK という
いい加減派です。 やはり珈琲派の義父から
頂いたサイフォン (アルコールランプ付) で
入れるのは、義父が来た時だけ !! (笑)

今日も猛暑です... ご自愛ください
by sasanono (2015-08-08 11:10) 

sasanono

Kawasemiさん,
本当に暑い日ばかりで参りますが、ここまで
続くと、いい加減、慣れてきた... という感じ
もありますね。
しかし、油断大敵 ! 睡眠と水分に気をつけます*
by sasanono (2015-08-09 06:30) 

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