SSブログ

海辺の扉 [ ▲ 日本語 (一般, 雑誌)]

 
昨日の東京、やっと、晴れた~ !!!!

... ということで、布団, 洗濯物に、紫外線殺菌パワー ! [ぴかぴか(新しい)]
家中の窓も全開 ! 隅々にまで日光と風を !
風は強く、ちょっと暑いくらいの気温だったのですが
長雨の後の晴れは、本当に気持ちがいい !
その後、自分磨きの前に、大掃除もして、スッキリ !!!

そして、その後は...
東京オリンピックのエンブレム・デザインの盗用問題が
話題になって、思い出し、気になっていた小説 (日本語)
を読みました。


海辺の扉 上 (文春文庫)海辺の扉 下 (文春文庫)海辺の扉
----------------
著者 : 宮本 輝


[First published
1991]



初読みは、随分と前ですが、今回の騒動で、突然に
ある登場人物と場面が頭の中に蘇って来ました。

その登場人物は、主人公の人生にちょっと巻き込まれ、
そのせいで死んでしまった画家です。
画家と言っても、無名... と言うか、盗作の汚名を受け、
若くして将来を失ってしまった絵描きです。

主人公は、幼い息子を折檻死させた父親という汚名と
誤解, 非難, 執拗なマスコミの攻撃などの苦痛、
そして何より、
日常の何でもない出来事の中で起こってしまった事故
に取り返しのつかない後悔と悲しみと
死なせてしまった幼い息子への愛情と罪悪感
...を抱えて生きています。

汚名を受けた人間は、まず必死に無実を訴えますが、
言えば言うほど、騒ぎが大きくなり、より叩かれ、
最終的には、沈黙します。
そして、事情を知らずに無責任な非難をする人々へ
の怒り、自分に心を寄せてくれない身近な人々への
裏切られ感からの怒り、自らの無知, 不注意, 傲慢さ
への虚しい悔恨... という思いが続きます。

画家も、主人公も、事件後は外国生活です。
この小説は、海外でのサスペンス的な要素を軸に構成
されているのですが、登場人物の日本での過去背景が、
各々の行動に強く影響を与えています。

画家は、よく知らない日本人の主人公の話を信じ、
預かったものを隠し切り、裏切らず、殺されてしまいます。
その姉は日本に居て、弟である画家の心に寄り添い、
主人公を恨むことなく、弟の信念を完結させます。


曖昧な事実...
オリビエ・ドビ氏のデザインが、著作権 (商標登録等) のある
ものだったかさえ、私は知りません。
そのデザインも、実は、私の持っている「アルファベットの
ステンシルの Z」に似ています。真ん中の線が縦か斜めか...
丸で囲んだか... の違いだけです。
アイデアにおいて、似てるから盗用とは言い切れず、
それは、実際の出処が曖昧な事実でしかないように思います。
ネットでは、素人も自分のデザイン・イラストを公開しており、
その全てが互いに盗作を訴え出したら、切りがないようにも思
います。著作権申請がある場合だけにしないと、大混乱です。

オリビエ・ドビ氏も、著作権の申請をしていなかったので
あれば、その侵害と損害を主張する上で、重大な過失 (怠慢)
があったと言えると、思えてなりません。
で、多分、自身も、アイデアの出処がステンシルの Z でない
ことを証明するのは、至難の業のような...

佐野研二郎氏は、他にも盗用が疑われるデザインが発見され、
それらにも著作権があったのか、分かりませんが、
自らの無知, 不注意, 傲慢さ,... において、既に社会的制裁を
受けたことは、確かです。
経済的な負担も大きいでしょうし、デザイナーとしての将来
も閉ざされたように見えます。

もう、これ以上は、
同様の問題が起きないよう、国際的な規定を整備する方に
エネルギーを注いだ方が良いと思えてなりません。


「海辺の扉」
... 閉ざされた狭い場所から、
遠い未知なる希望へ向かう扉です。


nice!(13)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 13

コメント 4

SORI

sasanonoさん こんにちは
こちらもやっと晴れました。芝刈りと植木の選定を行いました。地面が乾かないうちに草抜きもやりたいと思っています。
by SORI (2015-09-03 12:20) 

sasanono

SORI さん,
また今週末から長雨予報です...
コメントを読んで、今日早朝に、我家も草抜きを
しました。こういう時には、猫の額が有難いです (笑)
by sasanono (2015-09-04 09:58) 

Asond

佐野さん、すでに終わった人です。
同感!!
by Asond (2015-09-08 19:07) 

sasanono

Asond さん,
問題を起こしたら, 非難・罵倒される...
でも、相手が完全に再起不能になるまで、それを
やり続けるべきではないと思っています。
個人としての再生の扉までは閉ざさないでおく。
後は、本人の再起力...
挽回に焦って同じ過ちを繰り返さないように...
by sasanono (2015-09-09 18:17) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0