英ゴリ本 056 - 前半 [ ▲ 英ゴリラの読書]
English Fairy Tales
7. Nix Nought Nothing
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by Anonymous
collected by Joseph Jacobs
[First published 1890]
タイトルの Nix Nought Nothing は、人名で
和訳すると「無 無 無」ということになります。
その子の運命は、いかに !?
ちょっと、長い話になりそうなので、前半と後半
に分けて紹介しますね。
なかなか子宝に恵まれなかった妃に、ようやく男の子が
誕生した時、王様は諸国を巡っていて城を空けていました。
妃は、王様が戻るまで、息子に正式な名前を付けず
代わりに Nix Nought Nothing と呼ぶことにしました。
さて、王様ですが、
帰路の大きな河が渡れず、立ち往生していた時、
巨人が現れ、渡らせてやろうと言います。
褒美に何が欲しいかを尋ねると
"Give me Nix Nought Nothing" (全く何にもいらない)
と言うので、感謝をして渡らせてもらいました。
お城に戻って、少年に成長していた一人息子の呼び名が
Nix Nought Nothing だと分かり
女中の息子を身代わりに差し出します。
翌日、巨人は、女中の息子をおぶって
"What time of day is that ?"
(いつもは、今頃何の時間?)
その答えで、王様に騙されたことを知った巨人は
怒って、女中の息子を石に叩きつけて殺してしまいます!
次の身代わりは、庭師の息子... 同じことが起こります。
そして、怒り心頭に達した巨人に恐れをなして、仕方なく、
王様は、本物の息子を差し出しました。
Nix Nought Nothing は、巨人のもとで、その娘と仲良く
育ちます。しかし、ある日、巨人は、一人前になった Nix
Nought Nothing に難しい用事を言いつけ、
「できなければ、お前を食べちゃうぞ~ !」
娘が助けて、用事は見事に片付き、巨人は食べ損ね。
2つ目の用事は、もっと難しく... でも、やっぱり、娘が
助けて、食べ損ね。
ならば、3つ目は、もっと難しく... さすがの娘も失敗し
... Nix Nought Nothing と手に手をとって逃避行 !
当然、巨人は追いかけて来て、娘は阻止しようとし、
父親である巨人を殺してしまいます !!!
なんだか、不条理で、恐ろしい話ですよね?
Nix Nought Nothing は、王が還るまでの仮の呼び名でしか
ないのですから、帰還後すぐに、正式に名前を付けてあげれ
ばよかっただけなのでは... ????
女中や庭師の息子を犠牲にする必要なんて、全くなかった
ように思うのですけど...
それから...
騙された怒りから、2人の少年を殺した巨人ですけれど
恋する男のためならば、父親を殺してしまう娘も、怖い !!!!
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