英ゴリ本 015 [ ▲ 英ゴリラの読書]
Big Fish
-----------------------------
Written by Daniel Wallace
[First published 1998]
まず、英語初級者にも、読み易い本です。
難しい言い回しも、難解な単語も、ありません。
淡々と、素直で、優しい文で綴られています。
また、短い文章で章分けされているので、腰を据えて読む
のが苦手な人にも向いています。
私は、この Big Fish ... 映画を先に観ました。
映画を観てから、原作に興味を持ちました。
映画「Big Fish」
原書が先か、映画が先か...
各作品の満喫度が高いのは、どちらか ?
いつも判断に迷うところです。
原書が先だと、映画の時間枠で表現しきれなかった部分に不満を持ったり、登場人物のイメージと俳優が合わなかったりします。
逆に映画が先だと、そのイメージに引きずられ、自分自身から
想像が膨らまなかったりします。
今回読書では、読み進めている過程で、かなり映画のシーンが
蘇って来たものの、不満なく、むしろ楽しめた感じでした。
映画は Tim Burton 監督らしい演出により、原書とは一味違った作品になっています。先に原作を読んでいたら、かなり面食らう ! ような気がします。
夢に生きる父親と現実的な息子...
子供の頃は、父親のファンタジー冒険話にワクワクしても、
成長すると、ふざけ話ばかりで、真面な会話ができないことに
イライラします。そして、父と息子の距離が広がっていきます。
小説は、死が間近に迫った父親の病床 (自宅) と付き添う息子のシーンから始まります。
語りは、息子による1人称です。
今の現実としての 会話, 思いと、
父親が語ったストーリー, その他の武勇伝 (!) の回想が、
交互に展開していきます。
目前の死に逝く老人と、回想の中の生き生きとした若者が、
同一人物であることに不思議とも言えるような感覚があります。
同時に、それが当然のことなのだという現実に、切ない感覚も
あります。
大人になる過程で受け入れることを強いられる様々な現実...
しかし、それらは、生きていく手段だとしても、
本当に人を幸せにしてくれるとは限りません。
みんなに愛された父親の人生の終わりに、息子が見たもの...
それは、果たして現実なのか ?
それとも、否定してきた ファンタジーなのか ?
コメント 0